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​神奈川県議会 令和2年第1回定例会(2月12日~3月25日)

昨年から走り続けた1年、2回の県議会を経て、年度の締めとなる定例会。国際文化観光・スポーツ常任委員会と社会問題・安全安心推進特別委員会では、以下の質問と要望を行いました。また、3月18日には、常任委員会にて会派を代表し、意見発表を行いました。

<社会問題・安全安心推進特別委員会>

1.  地域における医療と介護の連携について

神奈川グランドデザイン「プロジェクト3高齢者」における取組として掲げている地域包括ケアシステムでは、地域包括支援センターが中心となる、医療や関係機関との連携は必要不可欠です。その推進事業費予算が659万円と計上され充分なのか、地域における医療提供体制の確保について、何点か伺います。

 

問1 住み慣れた地域で、自分らしい生活を続けていくための医療として、在宅医療がある。先日医療と介護の連携に取り組まれた医師から話を伺ったとこと、医師の介護への認識不足が指摘され、また、医師と介護の壁は大きく、環境作りとしてコーディネーターの存在が大きいとのことでしたが、現在、県内の在宅医療に関する課題を、県はどのように把握しているのか。

 

問2 在宅医療を担う人材を確保するために、どのような取組みを行っているか。

 

問3 在宅医療トレーニングセンターでは、どのような職種の方が参加しどのような研修を行っているのか。現場では様々な高齢者がいる中、センターでの研修も大事だが、現場での研修も必要と思われるがそのような実地もあるのか。

 

問4 在宅死亡率が2016年に全国トップとなった横須賀はその後も在宅医療や在宅看取りが多い。実際現場での状況も伺ったところ、特に私の地元西地区では良い連携がなされ、その院長は以前より県の研修講師をされ、取組の評価として表彰もされている。そのような事例を各市町村でも広げていくべきと思うが、県としてはその実態を把握しているのか。把握しているのであればどのように活かすのか。

問5 高齢になると一人で多くの疾患を抱えることも多く、これに伴い、複数の医療機関から処方された非常に多くの薬を飲んだり、同じ効能の薬を重複して服用するといった、「ポリファーマシー」とも言われる多重服薬が、懸念されています。これは患者の健康を害するだけでなく、医療費増加や認知症の悪化などの面でも大きな課題と捉えている。この課題の解決には、複数の医療機関において、薬剤情報の共有による適正な処方が必要であると考えるが、県はどのような対応を考えているか。

 

問6 高齢化の進展に伴い複数の疾患がある患者も増加していく中で、特定の臓器や疾患に着目することなく病気を心身から幅広い視野で患者を診るプライマリケアーは総合診療医が注目されているところであるが、国内においては認知度も人数も少ないと感じているが、県内では総合診療科を開設している病院は61件である。神奈川県サイトの医療機関名簿内の資料に総合診療科がある病院にはその明記がなかったが、県は把握しているか。

 

問7 総合診療医は地域包括ケアシステムを推進していく上で、大切な役割を果たすものと考えるが、県として総合診療医の育成と確保に向け、現在どのような取組みを行い、今後はどのように取組んでいくのか。

 

問8 寝たきりや認知症高齢者対策事業費として8千399万円の予算が計上されているが、現在の県内高齢化率はどの程度なのか、事業として具体的にどのようなことを行うのか。

 

問9 2025年も間近に迫ってくる中で、在宅医療をはじめとする地域の医療提供体制の確保、また介護との連携へ強化として具体的な今後の取組はあるのか。また、介護関係は人出不足もあり私の地元横須賀でもかなりの外国人も受け入れている。そのような外国人の介護関係の方への支援も必要かと思われるが、県として全体の方向性を伺いたい。

(要望)

地域包括ケアシステムを推進していく上で、医療提供体制の確保に向けた人材育成や、連携体制の構築などについては、市町村だけでは解決できない課題がある。また、新たな専門医制度案には、第19の専門領域として「総合診療医」も盛り込まれました。総合診療の根底にある身近にあり気軽に相談できる医療の「プライマリ・ケア」、そして総合診療医の役割と求められるスキル、医療制度、地域医療との関わりも今後の地域医療を進めていくうえで欠かせないと考える。

 

横須賀では在宅医療・在宅見取りを支えてきた結果として、在宅死亡率が2016年度には全国トップという実績もあり、その後も特に私の地元横須賀西地区では、かなりレベルの高い連携システムが構築されているとの現場の声も伺っている。地域毎の連携もそれぞれという現実、そうした課題の解決に向けて、県が広域的自治体として、引き続き役割を果たして頂くことを要望する。

2.  高齢者が安心できる住まい・施設について

高齢者の生活を支える上では、高齢者向けの施設も、重要な役割を果たすものと考えます。実際私も昔幾つか視察もし、その施設で関わる方のお話も伺いました。そこで、県として高齢者向け施設や課題についての取組を何点か伺う。

 

問1 高齢者向け施設や住まいには、地方自治体や社会福祉法人・医療法人から営利法人と様々な組織や団体が運営している。それらの中でも、特別養護老人ホームは介護が必要な高齢者を受け入れる重要な受け皿であると考えるが、今期特別養護老人ホーム整備費補助として5億ほどの予算が計上されているが、状況について伺いたい。

 

問2 特別養護老人ホームについては、入所の順番を待つ、いわゆる待機者が多いと聞くが、県の高齢者率に対し待機者数はどのような状況にあるのか。

 

問3 空きがなく有料老人ホームを利用する方も多いが、住宅型と介護付などの種類があると理解しているが、あらためてどのような違いがある施設なのか伺いたい。

 

問4 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は、県内にどの程度整備されているのか伺いたい。

問5 こうした施設や住まいは、高齢者が安心して暮らせる場でなくてはなりません。高齢者虐待が起きるようなことがあってはなりませんが、平成30年度には高齢者への虐待相談が168件、そのうち52件が虐待と認め、増加している。正直誠意をもって対応していただいている職員の方も多いとは思うが、きつい・汚い・危険の3Kとも言われ、とても大変な職です。起きてはならない高齢者虐待ですが、県による施設従事者による高齢者虐待の状況も伺いたい。

問6 サービスや料金設定が多様化している有料老人ホームは、民間の様々なサービスが提供される一方で、介護保険施設のように厳格な基準がなく、中には十分な職員の配置がされていないなどの理由から、虐待が起きたという報道も目にし、実際私も相談も受けている。その高齢者虐待への対応は市町村が主体かと思われるが、障がい者や高齢者など弱い立場の方々が生活する施設への調査や指導は県も必要かと思われるがどのような取組をされているのか。

問7 高齢者虐待は家族などの養護者によるものも平成30年度では、相談通報件数は1701件、うち虐待が認められたものが878件であった。養介護施設従事者及びその家族などの養護者による虐待も多くが身体的虐待と最も多く、まさに生死への影響も起こりえる。在宅や施設での高齢者が安心して最後まで過ごせる体制は非常に重要である。「高齢者虐待防止マニュアル」の作成と周知も必要だが、職員・養護者へのケアーも大事である。県としたどのような取組があるのか。

(要望)

高齢者が、介護が必要になっても安心して暮らせる社会の実現に向けては、良質な高齢者向け施設や住まいの確保が欠かせないと考えます。施設や住まいの量的な整備はもとより、本人・ご家族・ケアーマネージャー・ヘルパー・福祉用具スタッフ・訪問入浴スタッフ・医師・看護師・薬剤師などのチームワーク、関係性は重要です。しかしながら、私も経験していますが、認知症が進んだ高齢者の豹変する言動は介護に携わる関係者や家族の精神的ストレスも生んでいます。

虐待はけっしてあってはならないが、ご本人はじめ関係者双方へのフォローも重要と考えます。今後も増えるであろう、高齢者施設の安心・安全に向けた取組みをより一層推進していただき、残る人生をより楽しく過ごしていける環境づくりの強化を要望いたします。

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