神奈川県議会 令和4年第3回定例会(9月7日~12月19日)
■決算特別委員会(10月13日~11月19日)
令和3年第3回定例会 決算特別委員会は、決算認定議案が提出された時に設置され、一般会計、特別会計、公営企業会計の決算を審査致します。
以下、当日の委員会における質疑内容をご報告します。
10月24日 神奈川県の環境関連について
当日の委員会の様子はこちらの動画でもご覧いただけます→
1. 電線地中化促進事業について
(道路管理課)
無電柱化は、電柱倒壊による災害時の道路閉塞を防止するなど、防災性向上の観点から重要な取組として、これまでの取組状況の確認及び意見要望を行いました。
ここ数年の自然災害により、県内でも多くの停電や被害が発生しており、昨今切迫性が懸念される首都直下地震など大規模災害時においては、電柱の倒壊による様々な影響を回避すると共に、電力・通信のレジリエンス強化に加え、狭小な歩道の多い横須賀などの地域では車いすやベビーカーが通行する際、電柱が障害物となることも多く、バリアフリー社会への対応や子育てしやすい街づくりの観点からも、無電柱化の推進は非常に重要です。
大きな課題として多額な費用が挙げられていましたが、新潟県見附市では低コスト手法である「小型ボックス方式」等をモデル的に施工している例もあり、現在は様々な手法が開発・導入されつつあります。
本県でも低コスト手法の活用も行いながら、無電化事業の推進は容易ではないと思われますが、今回の改定された事業計画が着実に進むよう、国の予算もしっかりと確保しながら、行政、事業者、地域住民と共に無電柱化推進を求めました。
2. 環境教育に関する事業について
(環境計画課)
これまでも予算や常任委員会において、「脱炭素社会の実現に向けて」の質疑を重ね、地球温暖化など気候変動問題への対応は喫緊の課題と考え、再生可能エネルギーの導入促進や徹底した省エネルギー対策を推進することはもとより、地球温暖化対策に取り組むことの意義や必要性等をしっかり普及啓発し、若年層をはじめ、県民一人ひとりの意識醸成を図ることの重要性も求めてきました。
地球温暖化などの気候変動は、環境破壊や自然災害・異常気象のほか、食料不安や水不足、経済の混乱といった様々な分野に影響をもたらしており、こうした気候危機への対応は一刻の猶予もない状態となっています。
今年4月に開催したワークショップに使用したコンテンツは、アメリカの小学生が環境教育の一環としてプラスチック問題に取り組んだドキュメンタリーでしたが、今年5月現在、この映画の影響から「プラごみゼロ昼食の日」がニューヨーク市750校以上に広がっている他、国内では、亀岡市で環境政策の一環として、小中学校28校分の上映費を市が負担されたそうです。
持続可能な社会を実現するためには、県民、企業、団体など、あらゆる主体が気候変動問題を自分事として捉え、日頃から意識を持って、自ら具体的な行動につなげていくといった社会全体の意識改革が必要であることからも、教育委員会や関係団体、地域等とも連携し、より多くの県民が行動変容へと繋がる環境教育の更なる充実に努めていただくことを求めました。
10月28日 学校現場における「こころの健康」について
当日の委員会の様子はこちらの動画でもご覧いただけます→
1.児童・生徒への支援
全国の小・中学校の生徒数は減少していますが、不登校児童・生徒数は9年連続で増加、このうち55%が年間で90日以上欠席しており、本県も小学校では6267人、中学校で10389人、高校で2903人が不登校とやはり増加しています。
児童・生徒によっては不登校の期間が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味をもつことがある一方で、学業の遅れや進路選択や社会的な自立へのリスク等も生まれる可能性があり、「未然防止」や「早期支援」の取組として、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど、児童・生徒が支援を求めたい時にすぐ対応できる体制の充実は重要ですが、現在の配置システムでは十分ではないと思われます。
現在は「24時間子どもSOSダイヤル」「SNSを活用したいじめ相談」などの、電話やライン相談なども拡充はしていますが、生徒にとって無理のない学校生活を作り出し、子どもと保護者を支援する相談機関の充実や町田市の「アウトリーチ」や大和市の「不登校生徒支援員」など、他の事例も参考に柔軟なプログラムでの学習支援や社会参加をサポートすることに加え、児童・生徒がスクールカウンセラーをより身近に感じ、気軽に相談しやすくなるような体制づくりの提案も致しました。
2. 教職員のメンタルヘルス対策
日本の教育環境には様々な問題があり、教職員の精神疾患もこの10年5000人前後の推移です。
ストレスの大きな原因は長時間労働や保護者・PTAの対応との報告もあり、教職員が過度のストレス等により、心の病で休職等に陥るメンタルヘルスの問題が学校現場でも重く受けとめられています。
2018年、ブータンへの旅では小・中学校を訪問しました。毎朝礼では読経や瞑想など行い、GNH(国民総幸福感)の精神に沿った教育環境からは学校教育の核の重要性を感じました。
教職員のメンタルヘルス対策においては現在の相談体制に加え、ピアサポートなども必要ですが、現場の教育環境の状況も考えていくべきと思います。
教師はじめ、児童・生徒への学校現場における相談体制の充実に加え、先ずは心身ともに健康でいられる教育環境作りに取組んで頂けるよう求めました。